うつ病からの社会復帰 「4か月目からが再発危険な時期です」
うつ病にかかり、長い治療を終え、心も身体も元の状態に戻ったように感じていても、うつ病には“再発”という落とし穴があることを忘れないでください。
医師・自分・職場の合意を経て、やっと職場に戻れたとしても、それまでの遅れを取り戻そうといきなりエンジン全開で仕事に取り組んでしまっては、再発に拍車がかかることになります。
まずは、職場復帰後、通常運転に戻るために理想的な工程を紹介します。
復職~2か月 「慣らし勤務」・・・時短勤務で残業はしない。メールチェックや簡単な作業を行う。
【※強い疲労感や昼間の眠気が出ることがあればすぐに担当医に報告を!】
2か月~6か月 「定時勤務」・・・勤務時間を守り、残業はしない。業務は通常業務を行う。
【※疲れ・生活の乱れ・再発のサインが無いか要注意!】
6か月~ 「通常勤務」・・・ほかの社員と同じ勤務体制にする。
【※ストレスをためすぎないように心がけ、自分は大丈夫と自分に言い聞かせて無理をすることは禁物!】
さて、この3つの期間のうち、再発が一番高いと思われるのはどの期間だと思いますか?
復帰直後と思われる方が多いかもしれませんが、
正解は2つ目の<2か月目~6か月目>なのです。
厚生労働省でも推奨していることから、復職後の勤務時間や仕事量などは事前に会社と話し合うことでプランを立てるのが良いでしょう。
話し合いがなされたことで、復職してから3か月目くらいまでは労働時間や責務を減らす措置や、あなたへの周りからの配慮がなされるでしょう。
しかし、4か月目くらいには仕事の量やパフォーマンス性を求められ、慣らし勤務から定時勤務になり労働時間が増加、責務も増えてくるなどの傾向があるため、復職直後よりもストレスがかかってきます。
それゆえ、うつ病が治ったと思って復職しても、その精神的・肉体的ストレス、また生活のリズムも元のように乱れてしまい、いつの間にかストレスフルな環境に戻ってしまった結果、うつ病を再発する場合が多いのです。
うつ病になりやすい人の傾向として、責任感が強く、真面目な人が多いということからも分かるように、ほかの社員よりも早く帰ることを申し訳なく感じたり、焦りを感じたり、もう元通り働けることを証明するべく無理をしてしまいがちです。
ですから、自分で再発の予兆を感じたり、家族や職場の人たちに何か自身の変化を指摘されたときは、早めに休暇を取って心身をやすめてください。
別記事の再発率から考えても自分だけは大丈夫と言う考えは通用しない病気なのです。
自分では「もう元通りだし、うつ病は治ったんだ!」と思っていても、うつ病には再発の危険があります。
再発が1年以内のこともあれば、10年後にあらわれることもあることを鑑みると、復職してからも自分のこれからの長い人生に目を向けて、うつ病の予防を長い目で行っていくことが大切になります。
もし、復職して再び休職ということになると、あなたは「自分はダメだ」と自信を喪失したり、さらにうつ症状が重くなったりということになりかねません。
また、会社にとってはあなたをどうやって扱っていいのか分からなくなり、酷なことだと思いますが、復職を望まなくなってしまう場合もあります。
そのため、うつ病の再発防止への取り組みが必要になってくるのです。
うつ病再発防止のためにできることは以下のようなことです。
・ストレスをためない、解消する
・自分の中のストレスを見つめて、整理していく
・予兆を感じたらカウンセラーや主治医に相談する
・疲れたときはしっかり休養する
・バランスの良い食生活を心がける
・職務内容や会社に関しては信頼できる上司に相談する
何度も言うようにうつ病は再発する可能性がとても高いのです。
復職から4か月目が再発要注意時期です!!
健康な毎日のために、うつ病予防に取り組んでいきましょうね。