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うつ病の本人と家族の距離感


うつ病の本人と家族の距離感は状況次第です。

家族や周りの人は「なんとかうつ病を治してあげたい」と責任を感じ、いつもそばにいて「世話をしなくては」と思いがちです。

しかし、実は離れていた方が良い場合もあるのです。


 
 

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■離れた方が良いとき

 

・本人と家族のストレスが溜まっているとき

 

療養期間が長くなると、家族と本人との間ですれ違いが多くなり、ストレスがお互い溜まっていきます。

本人としては「こんな風になって申し訳ない、なんとかしたいけど」と感じている一方、家族としては「心配なのに」「アドバイスのつもりなのに」とお互いのことを思っているのに、かみ合わずに傷つけあう時が出てきます。

 

そういうときは、距離をとってお互いリフレッシュして気持ちを落ち着かせた方が良いのです。

また、家族や周りの人の気持ちが安定していると、本人は安心し、気持ちも落ち着いてきます。

家族や周りの人の健康が、本人の健康にもつながるのです。

 

 

・一緒にいることが本人の負担になっているとき

 

⇒家族は色々心配して声を掛けたり、気遣ったりしがちです。

ですが、そうした心配がかえって本人にとって負担になっているときがあります

うつ病の人は、「うつ病になった」ことに対して罪悪感を覚えています。

 

「休職するはめになってしまって申し訳ない」「働けない私なんて生きてる価値がない」など自分を責めてしまう傾向にあります。

 

そういう感情をもっている人間に、あれこれ世話してしまうと、「ああ、大切な人にここまでさせるなんて…なんて情けないんだ」「自分は本当に役立たずだ」と思ってしまうのです。

 

基本的に最悪の状態のおそれがない場合は、本人の治癒能力に任せて良い病気です。

ですから、本人にとって世話を焼くことが負担となっているのであれば、あえて“離れる”ことも大切なのです。

 

 

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■近くにいた方が良いとき

 

・最悪の事態を招くサインが見られた時

 

うつ病になると、頻繁に「死」を意識するときがあります。

それはうつ病で寝たきりの時から、少し症状が良くなった時でも考えていることがあります。

「こんな自分ならいないほうがマシだ」とそう思っているからです。

ですから、以下のようなサインがあったら、近くにいて見守っている必要があります。

 

 

1、命を絶つことをほのめかす

2、重症なからだの病気になる

3、職、本人にとって大切なものを失う

4、酒量が増える

5、些細なことでトラブルを起こす

6、治療を中断する

 

ただし、つきっきりでは本人の負担になります。

視界の片隅に入れておくといった感じに、見守るようにしましょう。

 

 

 

・うつ病の急性期において身の回りの世話をするとき

 

 

うつ病の急性期、つまり発症した時期ですが、このときは抑うつ症状が重く、

寝たきりになったり、食事やお風呂、着替えなど身の回りのこともできなかったりする場合があります。

 

症状が重く、自分の身の回りのことができない状態の時は近くにいて看病してあげるのが良いでしょう。

ただし、この場合も「大丈夫?」「しっかりしてよ」という過剰な心配や期待をするのではなく、

ただ「休ませる」 そして、「見守る」といった接し方を心がけましょう。

 

さて、うつ病の本人と家族の距離感は状況次第ということはお伝えしてきましたが、

大切なことは「よりそう」という視点です。

 

「よりそう」というのは、ただそばにいるという物理的なものではなく、本人の“気持ち”に「よりそう」といった、

心と心がそばにいる状態なのです。

 

この視点を大切にして、本人と接していくようにしましょう。

 

 
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