“性格のせい?”いいえ。それは「気分変調症」かもしれません。
気分変調症は少し前まで、“抑うつ神経症や抑うつ性人格”などと呼ばれており、「病気としてのうつ病」とは少し違って
「性格的なもの」として考えられていました。
しかしながら、新しい抗うつ剤、さらに認知行動療法など、効果が科学的に証明された治療法が確立されたため「性格的なもの」と考えられていた“抑うつ神経症や抑うつ性人格”も治療でよくなることが明らかになりました。
そこからは治療可能な「病気」として認められ、「気分変調症」と呼ばれるようになったという経緯があります。
気分変調症になると、
食欲不振・過食、睡眠困難、倦怠感、自尊心低下、集中あるいは決断困難、絶望感のうち、
少なくとも2つの症状が見られ、これらの症状がほぼ毎日2年以上続きます。
大うつ病にかかった人は明らかに以前と性格が変わってしまった状態になるので治療につながることが多いのに対して、
気分変調症はひっそりとはじまり、比較的軽い症状が長く続くので、「性格」として済まされてしまうことが多いのです。
大うつ病よりも比較的軽い症状の気分変調症をなぜ放っておいてはいけないのか・・・
それは、この病気がほかの病気を併発しやすいからなのです。
気分変調症の人が急性の大うつ病にかかり「二重うつ病」という状態で初めて受診にくるケースが多いものです。
二重うつは大うつ病よりも重篤でとてもリスクの高い危険な状態です。こうなる前に、この病気への知識をつけて早期対策を講じることが大切です。
気分変調症は、朝から夜まで気分がすぐれない状態が長く続く慢性疾患です。大うつ病と比べると軽度ではありますが、本人の中では苦しみが強いと言われています。
しかし、他の病気を併発する可能性が高い病気でもありますので、早期対策が大切です。
本人が苦しんでいて相談出来ないということも考えられますので、身近な方は性格的なものとしてとらえず、話を共感的に聴き、医療機関などに橋渡しなどのサポートをお願いします。
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