うつ病とその他の気分障害の関係とは?
『気分障害』とは、気分の良し悪しが大きく、
日常生活に影響を及ぼしてしまう状態のことをいいます。
例えば、ずっと落ち込んでしまったり、
逆に、ずっとハイテンションになってしまったり、ということです。
もちろん、悲しいことがあった時に落ち込むのも、
楽しいことがあった時にハイになるのは当たり前にあることですよね。
しかし、気分障害の場合は、
何もないのに長い期間落ち込んだ状態のままであったり、
やはり何もないのにハイテンションのままであったりします。
そのため、その場にそぐわない行動をとってしまうことで、
生活に支障がでてしまいます。
ひどい時には、妄想や幻聴といった精神的な症状に
悩まされることもあります。
『感情障害』と呼ばれることもありますが、
感情よりも長い期間、体全体に症状が現れることから、
現在では『気分障害』と呼ばれています。
気分障害の種類は大きく分けて2種類あります。
(これはアメリカで作られているこころの病気の診断基準(DMS-4)に
基づいて記載しています)
一つは『うつ病性障害』です。
単極性のうつ病と呼ばれたりもして、気分が落ち込むうつ状態が続く障害です。
これはさらに『大うつ病性障害』と『気分変調性障害』、
『抑うつ関連症候群』などに分けられています。
もう一つは『双極性障害』です。
別名を『躁うつ病』といい、
気分が落ち込むうつ状態と気分が高揚する躁状態を繰り返す障害です。
こちらも『双極性障害』と『気分循環性障害』などに分けられています。
最近女性に増えているという『非定型うつ病』は、
この二つとはまた違う分類とされています。
かつて、うつ病は『躁うつ病』の一種として扱われていました。
しかしうつ病の場合は、精神的な症状のほとんどはうつ状態です。
双極性障害(躁うつ病)で見られる躁状態が
まったく見られない場合が多かったため、今では別の障害として分けられています。。
この例からもわかるように、うつ病とそれ以外の気分障害を
はっきりと区別することは難しいのです。
現在も最新の研究が進み、これからも気分障害の分類は変化していくことでしょう。
大切なのは、自分の状態を客観的に見つめ、良い方向へ持っていくことです。
家族や友人などの親しい人に相談してみたり、
カウンセリングなどを利用して、専門家に不安を打ち明けてみたりすることも、
一つの解決法になるでしょう。
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