ダメな自分でも良いんです。
自分や身の回りにはたくさんプラスの物事があるはずなのに、マイナスの面しか見られない。
それはある種、プラス面を通さないフィルターがこころの中にあるようなものです。
これは、うつ病の人によくある決めつけや思い込みによる症状です。
しかし、回復の兆しが見えてくると、今まではマイナスの物事に頭の中がいっぱいになっていたものが、
「自分はマイナス感情に囚われている」と分かるようになります。
この「マイナス感情」への気づきが回復への第一歩です。
この気づきは人それぞれで、とことんマイナスばかりを突き詰めて気づく人もいます。
また、精神療法の一つである認知療法を受けて視野が広がり、気づく場合もあります。
このマイナス感情への気づきの段階で大事なことは2つです。
◇マイナスでも良いと気楽に構える
◇マイナスをマイナスとして受け止める
この2つの視点は今までの「自責」の考えから「自省」の考えに変わる上でとても大事な視点です。
つまり、今までは「ああすれば良かったのに・・・」⇒「だから自分はダメなんだ」という自分を責めていたものから、
「ああすれば良かったんだ」⇒「今度はそうしてみよう」という以前の自分を反省して次に活かそうと考えるということです。
「マイナスでも良いと気楽に構える」「マイナスをマイナスとして受け止める」ことで、
自分への理解、自分を認める、客観視することができるようになります。
うつ病の人は、現在の症状に対して、自己理解や客観視ができておらず、出来ない自分をひたすら追い詰めていきます。
そんな中で、自分が「マイナス」を受け入れることで、視野が広がり、自責から自省へと気持ちが変化するのです。
大事なことは、自分を認めることです。
マイナス感情への気づきも、つまるところは「ダメな自分でも良い」と認めることです。