「消えてしまいたい・・・」その考えはうつ病のもたらす極端な結論です。
仕事ができないのに、給料をもらっていいのか、皆に申し訳なくて、会社を辞めるしかない、命を絶っておわびをするしかないと思い詰めていた。
友人から「どうしたの、おかしいよ」と言われたのですが、むしろ、友人のほうがおかしいと感じたほどだった。
(参考文献:うつ病の人の気持ちがわかる本 大野裕著)
「消えたい」という考えの背景には以下の3つがあります。
・絶望感…「自分など生きている価値もない」と、自分自身や生きていること自体に絶望している
・自責の念…周りに迷惑をかけるダメな人間だと過剰に責めている
・現実逃避…今の苦しい気持ちから逃げたい、楽になりたい
これら3つの観念からうつ病の人は「もう消えるしかない」と思ってしまうのです。
また、うつ病の人は日常において何を見ても「命を絶つ」ことを連想してしまいます。
例えば、
・ベランダから飛び降りたら逝けるか
・刃物を使って手首を切ろうか
・ガス栓をひねれば楽だ
・薬を大量に飲めばどうか
・ここにロープをかけたら逝けるか
など、普段であればそんな考えは抱かないはずなのに、うつ病の人は「命を絶つ」ことを考えてしまいます。
中には、本当に実行してしまう場合があります。
うつ病を発症し再発を繰り返しながら3年になる人が絶望のあまり、翌朝、無意識で線路の上を歩いていたという事例もあります。
うつ病の人は、日常的に「命を絶つ」ことを考えています。
「命を絶つしかない」と思うほど、自責の念や絶望に囚われているのです。
家族や周りの人はその最悪のケースを避けるために、うつ病理解とサポートスキルを身に着けていきましょう。
戻る