最悪の事態を防ぐために「目を離さず、あたたかい無視」を
うつ病による自殺の割合は約20%とされています。
平成21年度の自殺者の人数は32845人、うつ病が原因とされる自殺者数は6949人と依然として高い傾向にあるため、厚生労働省においては自殺を防止するためにうつ病対策が推進されています。
自殺を避けるために、四六時中本人につきっきりとなると、本人にとっても家族にとっても心労が重なり、お互いに負担となります。
心配だとは思いますが、少し離れたところから様子をうかがう=見守るという姿勢で注意しておいてください。
本人は自殺を考えていますが、心の奥底では「助けて」「本当はちゃんとして生きたい」と思っています。
しかし、罪悪感や自分の存在価値を認められないことから、命を絶つことを考えてしまうのです。
ですから、家族や周りの人は止める、防ぐために「温かい気持ちで無視する」=見守るようにしましょう。
自殺を意識しているようなそぶりをしたら、周りの環境にも注意しましょう。
つまり、自殺を想起させるものをそばに置かない、反射的に行動させないようにするということです。
うつ病の人は、半ば無意識下で「死」を選んでしまう場合があります。
はっきりとした意識がなく、気がついたらベランダから飛び降りようとしていた、包丁を腹に突きつけていたなども事例としてあるのです。
ですから、以下のように自殺を匂わせない環境にするのも大切です。
・ベランダに無意識で出られないように、窓には鍵をかける
・ひも、ロープなどは簡単に取り出せないところに移す
・薬は過剰摂取しないように、一回分のみ都度渡すようにした
・刃物は目につかないところに置く
この他にも「死」を連想させるようなものはなるべく置かないようにしましょう。
もし、最悪の事態になってしまった場合には、家族も自分を責めてしまいます。
「なぜ、気づいてやれなかったのか」
その後悔が一生続く場合もあります。
本人とそして家族であるあなたのためにも、最悪の事態を予防していきましょう。
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