家族は影響を受けることがあります。「抑うつ気分に巻き込まれないで!」
看病する方は、生活に色々と注意しないといけないことが多くて気が休まらなかったり、
自身の気分転換ができなかったりで、ストレスを抱えやすくなります。
また、うつ病の人がもっている抑うつ気分をイメージすることで、自分も抑うつ気分になるという
「同調」現象も見られます。ちなみにこの現象は夫婦間で多いとされています。
うつ病の治療には確かに家族の支えが必要ですが、そのサポートする側の家族が健康でなくなったら元も子もありません。
ですから、うつ病治療においては、うつ病を支える家族が健康であることが第一なのです。
■抑うつ気分に巻き込まれないために
うつ病は基本的に本人の治癒能力に任せていい病気です。
逆に心配し過ぎ、世話し過ぎは本人にとっても、家族にとっても負担となります。
「寄り添う」ということはいつもそばにいるということではありません。
「今は近くにいない方がいいんだな」というときは、そっと離れて様子を見るということが大切です。
それが、本人の気分転換にもなり、家族もリフレッシュできることにつながるのです。
うつ病の人は、自分を責めすぎて正常な判断ができていないことが多いのです。
ですから、うつ病の人は物事を否定的に捉えてしまう思考のパターンに陥っています。
それに飲まれないようにするには、その気持ちにただ「共感」するのではなく、
その気持ちを「反復して共感」することが大事です。
それは、うつ病の人の気持ちを客観的に捉え、その違和感に気付くためです。
「俺は役立たずな人間だ!」《本人の訴え》
「自分を役立たずだと思うんだね?」《反復》
「そうだよ!」
「それは辛いよね。」《共感》
このように反復することによって、状況を客観視することができ、冷静に接することができるようになります。
ネガティブなワードや気分が多くなりがちなうつ病の人の言葉に引っ張られないように、
物事を俯瞰して見る=客観視することを心がけましょう。
病人の前だからと言って無理に笑顔をつくったり、明るくいようとしたりするとやはり限界が来ます。
一人では支えきれないということを念頭に置き、応援を頼んだり、愚痴を吐いたりすることが自分の健康につながります。
病院では患者・家族の会といううつ病の支援団体もあります。
また、自助グループという、うつ病の人を支えている家族のグループとの交流会も開かれています。
こうした場も利用して、うつ病に関する知識を増やしていき、日々の生活に役立てることもできます。
共倒れにならないよう、うつ病に関する知識も身に着けつつ、周りへ助力を求め、適度にガス抜きをして、
自分が健康でいられるようにしましょう。
戻る