悩みや苦しみを抱え込まないで〜高校生のうつ病
高校生という時期は、成長の途中にあります。
高校受験を乗り越え、大学受験や就職活動に挑み、
心身ともに不安定な時期を送っています。
こういった不安定な時期というのは、大人とは違う状況で
うつ病にかかってしまうリスクがあるのです。
では、どのようなリスクがあるのでしょうか。
まず、勉強面です。
だんだんと授業の内容は難しくなり、
周囲と差がでてくることもあるでしょう。
授業についていけなくなると、
教室にいることも苦痛になってしまいます。
高校受験で頑張って、偏差値の高い高校に入学した人が、
うつ病にかかりやすいというデータもあるようです。
勉強面でいえば、他に、大学受験へのプレッシャーもあります。
年を追うごとにそのプレッシャーは大きくなるでしょう。
それから、いじめも大きなリスクとなります。
高校生は、心はまだ未熟ですが、体が大人になっている分、
いじめが陰湿になることがあるのです。
いじめを受けた本人はマイナスの感情を抱えて、
大きなストレスによって気持ちの落ち込みを感じるでしょう。
さらに、本人以外に、いじめを見ている周囲の人間にも
うつ病のリスクが高まります。
それは、「いじめを見たくない」という思いや、
報復が怖くて「助けたくても助けられない」という思い、
「次は自分かもしれない」という恐怖などが、
大きなストレスになるからです。
他に、男女交際もうつ病のきっかけになることがあります。
好きな相手にフラれてしまった時や、
付き合っている相手とうまくいかなくなった時など、
大きなショックを受けるでしょう。
大人になるうちに耐性がついてきて、
気持ちの切り替えも早くできるようになったりしますが、
高校生の頃にはまだうまくいかないことの方が多いのです。
高校生のうつ病は、大人ほど責任感を抱えないため、
回復は早いと多いと言われています。
しかし、うつ病が治っても、未熟な心のままだと、
長く引きずってしまうことがあるのです。
うつ病にかかったことを『人生の挫折』と感じて、
失望感から無気力になってしまう場合があります。
また、ストレスを発散する手段が大人よりも少ないため、
感情を抑えてしまったり抱え込んでしまったりしやすいようです。
うつ病にならないためには、なにより、
心と体の不調を放っておかないことが重要です。
悩みや苦しみを溜め込まずに、吐き出せることが理想的ですね。
周囲の大人も、日頃から話を聞いてあげられるといいでしょう。
『普段と違う状態』に気づくためには、
その『普段の状態』を知っている必要があるからです。
聞いてあげる内容は、ささいなことでいいのです。
今日の授業で難しかったこと、
友達と大笑いした話、
部活動での失敗など……
どんな年齢の人であっても、『聞いてもらえる』ということは、
ストレスを解消する1つの手段になるのです。
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