抗うつ薬は危険な薬?
結論から言うと、薬によって、うつ病の人が命を絶ってしまったり、他害行為をしてしまったりということは、
データ上はあるようです。
この現象は「アクチベーション・シンドローム」というもので、「抗うつ薬」を服用した際に、イライラ感、軽い躁状態、衝動性、不眠などに加え、命を絶とうと考える症状が出てきます。
例えば、「SSRI」というセロトニンを増やす目的の薬を飲んで、命を絶つ人が増えたり、攻撃性が高まったりという臨床データがありました。
そのため、服用に当たっては特に小児・若年者や服用初期・服用増量時にはリスクが高まるので、「リスクとベネフィットを考慮すること」とされています。
ここでいうベネフィットは利益ではなく、薬効のことです。
また、薬であるためもちろん副作用もあります。
「SSRI」に関しては食欲不振、嘔吐のほか、まれに発熱、発汗、振戦(意図しない震え)があるようです。
しかし、逆に「SSRI」を服用したことにより、命を絶つケースが減ったという報告もあります。
また、実際に服用したことによりセロトニンが増え、症状がよくなる場合もあるようです。
つまるところ、「抗うつ薬」のリスクに関してはいまだ議論中の問題のようです。
ただ、一つ言えるのは「抗うつ薬」を飲んでいれば治るわけではないということです。
「抗うつ薬」は風邪薬と同様、たくさん飲めばいいわけでもなく、すぐに効くわけでもなく、副作用がないわけではありません。
風邪の時も、薬を飲んでしっかり休養するから治るのが早いのです。
そして治った時には、手洗い・うがい、体調をととのえる、栄養をとるなど予防していく。
うつ病においても、同様です。
治療するにはしっかり休養して、安静にして、必要があれば薬を飲んで、そして体調を整えていく。
そして、予防するためにはどうするかを学び、実践していく。
病気というのは、そうやって治療していくものではないでしょうか。